中森明夫「アイドルにっぽん」

中森明夫の新刊「ぼくたちはマルクス」じゃなくて「アイドルにっぽん」を買った。



とりあえず、巻頭の
「日本は世界のアイドルになるべきだ。
日本国憲法第一条はアイドルの定義(ファンの統合の象徴で、総意に基づく)、
九条はアイドルの公称プロフィール(現実と離れていよーが突っ込みを入れてはいけない)」
って思いつき以外は、
これまでの文章の寄せ集めで、
正直ソンした。



中森明夫命名したところの「おたく」の分野において、
例えばアニメやマンガやゲームや、もしくはプロレスなんかは、ある種「Cool Japan」的文脈でその批評価値が認められているのに対して、
80年代においてはそれらと並ぶジャンルであった「アイドル」については、今は確かに、見事なまでにその価値がない。
この本は、そんな「アイドル」とゆー概念に、(「Cool Japan」的な)新しい国家主義的価値を付加することで正当化しよーとゆー試みなんだろうが。
それについて中森明夫は「批評の言葉の欠如」に根拠をもとめ、自身のアイドルについて書いた文章を集めたわけだが、
ただ、中森明夫って人自体に、残念ながら決定的に文章力が欠如してるんだよねー。
すっごく読みづらい。
つまるところ、思いつきの人なんであって、言葉そのものの人ではないんだろーな。この人は。


アイドル批評がなぜ絶滅したのか。
ま、商売人がいなかった・・・ってのもあるだろーけど、
結局、虚構とか記号とか流通とかいくら言ったところで、
最後は「人間」だからね、アイドルの場合。
アニメやマンガのよーにはいきませんわ。