格闘技マスコミ

桜庭問題について今、格闘技マスコミに求められてるのは、「椎骨脳底動脈血流不全」についての医学的にも充分でかつわかりやすい解説と、それに基づいたクールな現状分析であって、決して「桜庭のDynamite!参戦反対!」(http://mamu4.wablog.com/109.html)といったキャンペーンでも無ければ、「苦さが残った桜庭会見」(http://blog.livedoor.jp/gbrkuma/archives/2006-09.html#20060928)なんて自分語りでも無いんだがな。

格闘技が「死」と向き合わなければならない危険な物だとゆーのと同様、「マスコミ」だって「死」と表裏一体の仕事である。
最近だと「青い三角定規」の出来事があったけど、マスコミで働く人間なら、「自分は人を殺し得る」とゆーことを自覚しながらそこに身を置かなければならないはずであって。

で、「死」を意識するとゆーことは、「死んだらどーする」とやみくもに叫ぶことでは決してなく、「ここまでなら大丈夫」「ここからは死ぬかもしれない」とゆーことをそのケースごとにおいてクールに批評してゆくことにしかないはずだ。
基本的に「危ない」「ヤバイ」と言ってた方が、マスコミは売れる。
しかもそう言ってた方が、マスコミ人も、自分が何か仕事してるよーな満足感も得られる。
「来月にも関東に大地震が起きる」と書いてある週刊誌と「しばらく地震は起きないでしょう」と書いてある週刊誌なら、そりゃ前者の方が売れるだろう。

飲酒運転はもちろん危ない。
「飲酒運転は危険です。厳罰で臨むべきです」とマスコミが警鐘を鳴らすことも、まぁ必要だろう。
じゃマスコミは、飲酒運転で捕まった元フォークグループの自宅に押し寄せて呼び鈴をならしたり、その家族や知人友人たちに取材に押し掛ける必要はあるのか。
その結果、失わなくてもよかった命を失ったとして、その責任は問われないのか。

何かを「危ない」と叫ぶ時こそ、そう叫んでる自分は危なくないのか、何かを傷つけていないのか、をクールに判断すべきだと思うのだが。


※あと付け加えるなら、HERO'Sで桜庭問題と同様に、もしくはそれ以上に「危ない」のは、秋山vs金のレフェリーストップが覆ったことの方だと思うけど、そっちはマスコミは殆ど問題にしてないのもおかしい。
バックステージで誰が何を言っていようが、金選手のあの状態をレフェリー判断で止めたことが、後から権力によって否定されるとゆーのなら、今後レフェリーは「試合を止めること」について躊躇しかねない。
桜庭vsスミルノヴァス戦を「レフェリーは止めるのが遅い」と批判するなら、本当に危険な状態になる前にレフェリー判断で止めた秋山vs金の裁定を覆した事件に対しても同様に、いやそれ以上に批判すべきだろう。
vsスミルノヴァス戦の桜庭を見て「危ない」と思うことは素人でも出来る。
でもこれからの格闘技にとって本当に「危ない」のは秋山vs金の裁定の方だ、とゆー隠された本質も見抜けずに、何が格闘技専門誌なのか。