バンドブーム

とある人に頼まれて、大学の学園祭に出演するバンドの審査するため、30本くらいのバンドのデモテープを聞いてきた。
実は10年くらい前にも、ぜんぜん別件でやっぱりバンドのデモテープを聞きまくる仕事をしたことがあるんだが、その時と比べて結構変わってましたね。
バンドブームって、80年代後半「バンドやろうぜ」から90年前後の「イカ天」に至る時代に1つあって、それがDJ・クラブ文化の台頭によってみんな楽器をやらなくなりバンド・コンテストが軒並み休止してった時代があったんですけど、また数年前からバンドが復活してきてて、その2つのバンドブームの違いがわかって面白かったです。



気がついたのは、


●<英語詞のバンドが多い>
たぶん3つに1つのバンドは英語だったんじゃないか。
はっぴいえんどvs内田裕也による「日本語のロック論争」はなんだったんだ!と思うくらい。
かといって、フリッパーズギターの1stのような、英語詞であることによる批評性が存在するわけでもなく。
恐らくHi STANDARDからはじまり今のBEAT CRUSADERSELLEGARDENあたりに続く、単に英語だから英語、って感じ。


●<一方で、ブルーハーツ・チルドレンの多さも相変わらず>
もしくは<ゆず風ストリートでやってます系>か


●<ミクスチャー系バンドのRAPの水準が高い>
物心ついた時からRAPがあったであろう今の大学生は、RAPに対する対応力が僕らとは比べ物にならないくらいあるよーに思えた。
感覚として、歌を歌うのとあまり変わらないのではないか。
いとうせいこうやタイニーパンクス、もしくは佐野元春による「日本のRAP」は〜(以下略)





でも、変わんないんだなーと思うのは、「ギターはコードをジャカジャカ、ベースはルート音をドコドコ」とゆー、ブルーハーツやボウイ・チルドレン〜果てはアリスに至る、日本のロックバンド達の系譜に万延する音楽的単純さで。
かっこいいギターリフやベースライン一発で勝負、ってのが皆無なんだなぁ。
なんでなんだろ。



帰り際に学園祭実行委員長が
「ロック、いいですよねぇ!」
と話しかけてきたので、
「そうだねっ!」
と返事をして帰ってきました。